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このシリーズは10話くらいで終わればいいなーって。
ちょろちょろオムライス作った方がいたみたいで嬉しいw
私にもそのココマオムライス下さい←
オムライス美味しいですよね。やつには不思議な魔力が秘められておる…(笑

仔狸かわいいです。なんで仔狸だったんだろって最近首を傾げているんですがでも可愛い。
丸い耳とふわふわな丸い尻尾。
そしてエロだって兼ね揃えられる!素敵過ぎる…!
萌え滾りすぎて転がる4話めです。

続きよりどうぞーっ!
ココマの距離はぐんぐん近付くよ!

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 かちゃ、とした音にふと意識は呼び覚まされた。腕に抱く温もりを確認すれば、それはもふもふと僕の腕の中でいとも容易く形を変える。枕だった。
 小松君はどこに……? 僕は目を閉じたまま、シーツの上を指先で探る。
「ココさん、おはようございます」
 そんな僕の問いに答えるように、柔らかな、どこか笑いを含んだ声が僕の耳をくすぐった。その声に引き寄せられるように、僕の意識はぐんぐんと浮上していく。
「ココさん、ほら、そろそろ起きないと」
 小さな手が僕の体を揺さぶる。お陰で頭は覚醒した。だけどもう少しこのままでいたい僕は、目を開くことはしなかった。
「ちょっと、ココさん! 遅刻しちゃいますよ!」
 こんなに寝起き悪かったっけ。と、小松君が小首を傾げる気配がする。僕は口端を緩めると、小松君がのしりと僕の体に圧し掛かってきた。
「意地悪ですよ、本当は起きているんでしょう?」
 ぱたんぱたんと尻尾がシーツの上を叩く。その表情や声よりも確かな、小松君の尻尾。僕はぬっとシーツから腕を出し、小松君をぎゅっと抱きしめてごろりとそのまま転がった。
「ふにゃあ!?」
 ぶわりとその毛が逆立つ。可愛らしいそれに笑いながら、僕は小松君を見下ろした。
「やあ、おはよう、小松君」
「……っ、こ、ココさあああん!」
 おやおや、朝から品がないね。
 そんな僕の言葉に、きっと小松君が目を吊り上げる。
「だ、誰のせいですか、誰の! びっくりしたんですよ!」
「それなら、僕の目論見は大成功、だね」
 悪びれずに言うと、小松君の耳がぴこぴこと動く。指先でそこをくすぐれば、ぱたたとくすぐったがるように耳が動いた。
「にゃっ! もう! 意地悪なココさんには朝ご飯、あげませんよ!」
 はたと小松君が鬼の金棒でも取ったかのように、意地悪そうな顔で僕を見上げる。
 トリコがよく小松君の仕草が僕に似ていると言っていたのを思い出し、少し気をつけようと心に決めた。いや、可愛いんだけど。
 小松君は何も答えない僕に痺れを切らしたのか、指先を伸ばして僕の髪の毛をつんつんと引っ張ってくる。ことんと首を傾げる様は、少し大きくなったとはいえ、まだまだ仔狸だ。
「そんなにショックですか?」
 何がだい? と、問うような野暮なことはしない。話を聞いていなかったのかと、この仔狸が怒るのは目に見えている。
「そうだね、小松君の手作り料理を食べそびれたとあっては、この世の終わりかも」
「大袈裟ですよ」
 そうかな。そうですよ。
 そんなやり取りをした僕らは、大真面目に視線を合わせ、次にはくすくすと声を揃えて笑い合う。
「さて、と」
「にゃっ!」
 小松君を片腕で抱え、僕は体を起こす。そのまま居間へと向かうと、小松君の腕がぎゅっと僕の首に抱きついた。僕の朝ご飯を作るくらいには大きくなった体はそれでもまだまだ僕に比べたら小さい。まあ、僕が大きすぎるというのもあるとは思うのだけど。
 腕に当たるふわふわした尻尾の感触が、ちょっとだけくすぐったかった。
「お腹空いたな。今日のご飯はなに?」
「今日はトリコさんがくれた虹鮭の塩焼きと、昨日のおたんこなすのお味噌汁と……」
 狭い家では、小松君が説明を終える前に居間へとついてしまう。僕はなるだけゆっくりと歩きながら、小松君の声へと耳を傾けた。
「あ! あと、紅大根があったので摩り下ろして、納豆に入れてみました!」
「豪華な朝食だね。楽しみだな」
 ほら、もうついた。と、僕は小松君を椅子の上に降ろす。僕もその横へと腰を降ろした。
「小松君、また腕をあげたんじゃない?」
 目の前に並ぶ朝食を見て、僕は小松君を見下ろした。
「ココさんが大学にいってる間暇だったので、棚にあったレシピ本を取って見てたんですっ! ココさんにちょっとでも美味しい料理が作りたくてっ!」
 尻尾が嬉しそうに揺れている。僕は小松君の言葉に、きゅっと胸を締めつけられた。可愛らしい言葉を紡ぎ、健気に、一生懸命になんでもやってくれる姿はとても愛らしいし、好ましい。僕は小松君の頭を、優しく優しく撫でてやる。もう昔のように、小松君が僕の手や動きに怯えることは殆どない。
「別に無理して色々やらなくていいんだよ?」
「無理してませんよ。料理するの、凄く楽しいんです!」
 今日はレシピ本のアレンジとかしちゃったんで、味は心配ですけど。 
 小松君はそう言って、机の上に並べられた料理達を見る。それは今、僕らに食べられるのを今か今かと待っているようだった。
「あぁ、折角の朝食が冷めちゃうね。冷めないうちに食べようか」
「はいっ!」
 僕らは既に定位置となった席に並んで座り、二人揃って手を合わせた。
「いただきます」
 そうして二人で食べた朝食は何より温かく、そしてどんな料亭の料理よりも美味しく感じられた。
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