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嬉しいですっ!
ブログの子供ネタ記事にも押して頂けて、チョーシ乗ってますよー!

そんなわけでチョーシに乗った3話目。


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【パパ、浮かれる】


「……ココさん」
「…………はい」
 僕はベッドの上、傍らでしょんぼりとした風に肩を落としているココさんを睨んでいた。ちらりとこちらを見ては視線を逸らすココさんの横に、これでもかという程の大きな袋が置いてある。
「僕は買い忘れたものを買ってきて欲しいとお願いはしましたし、結構な量だったとも思いますけど、いくらなんでもその袋の大きさは異常です」
「……うん、そうだね」
 ココさんもちらりと袋を見て、小さく溜息を吐いた。どうやら買い過ぎた自覚はあるらしい。
「つい、必要かなと思ってしまって……」
「……百歩譲っても、おむつや下着は消耗品だからまだいいですけど……玩具はまだ早すぎです」
 袋の端から覗くものはぬいぐるみやら、おむつやら、その他必要なものからまだいらないんじゃないかというものまで、色々だ。
「……うん」
 しょんぼりとしたままココさんは項垂れる。だけど、子供が出来たことを凄くココさんが喜んでいるのがよくわかるから、本音を言えば僕は嬉しい。ココさんがこういうことをするのを見るのはとても嬉しかった。普段あまり何かを欲しいとか、こういった失敗をしない人なだけに、その喜びようがよくわかる。だけど、やっぱり無駄遣いは勿体無い。いや、いずれは使いはするのだろうけれども。
「家族が出来ることが嬉しくて、ちょっと浮かれていたみたいだ」
 ココさんの素直な言葉に、僕は大きく息を吐いた。びくりと体を揺らしたココさんを手招きすると、恐る恐る僕へと近付いてくる大好きな人。
 近付いてきた唇に、僕は堪らなくなって自分の唇を重ね合わせた。ココさんの瞳が見開かれるのがわかって、僕は触れるだけのそれを離して微笑んだ。
「頑張って下さいね、お父さん」
「……君にそう言われると、なんだか複雑な気分だよ」
 少し耳の赤いココさんの不貞腐れたような声に、僕は声を立てて笑った。

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