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ココマの子供ネタ バレンタインデイ編 朝の光景。
苦手な方はご注意下さい。

予約記事を使って遊んでみました。

朝の6時

昼の12時

夜の6時

バレンタイン当日 朝の6時

に投稿されるよう設定してあります。
ココマと子供達の時間に沿うように設定してみたので良ければー!!

まず朝の記事から。

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【父息子水入らず】


 僕はがっくりと落ち込んでいた。休みになったという小松君の言葉に、皆で朝からどこか行こうと提案しようとした僕の言葉は、無残にも彼女の言葉にばっさりと切り捨てられてしまった。
『今日はルーとお買い物にいってきます』
『え、じゃあ、ボクも……』
『ココさんはシエルとお留守番してて下さいね』
 ご飯はシエルに任せてありますから。
 小松君はそんな言葉と共に、キッスに乗ってしまった。キッスが嬉しそうに鳴いていたっけ。お前までも小松君の味方なのかい。
 そんな僕の不貞腐れた心は、後ろからぱたぱたと出てきたルーの一言によって、更にどん底へと落とされることとなる。
『もう! またぐだぐだぐだぐだ! ママに愛想尽かされちゃっても知らないんだから!』
 ばちん、と小松君を見送る僕の背中をルーが思いっきり叩く。体は痛くないけど、心が痛い。
 ルーは僕に舌を出すと、にやりと笑って小松君の元へと走っていってしまった。キッスの上で、小松君とルーが手を振って出掛けていくのを、僕が涙を堪えて見送ったのはまだほんの数分前のことだ。
 青空が目に沁みるなあ。そんな風に思っていた僕の横に、シエルがのっそりと現れる。
「ルーがよく言ってた。パパは黙ってりゃ格好いいのにって」
「……僕だって人間なんだから落ち込んだりもするよ。お前達は僕をなんだと思ってるんだ?」
「…………母さんにべた惚れな、品のない毒人間?」
 シエルの言葉に、がくりと項垂れる。小松君そっくりな顔からそんな言葉を言われてしまっては、僕の心はもうずたぼろどころの騒ぎじゃない。
 そんなに変な姿を見せたつもりはないけど、子供達の目に僕は一体どんな風に映っているんだろうか。
「ま、落ち込むことないんじゃない。終わり良ければ全てよし、ってね」
「……ルーが何か浮き足立ってたことと、関係ある?」
 ぽんぽんとシエルがルーに叩かれた場所を優しく叩く。僕の問い掛けに、シエルは肩を竦めて家の中へと戻っていく。
「それは僕からは言えないよ」
「……そう」
 にやり、とシエルが笑った。小松君曰く、シエルやルーがにやりと笑う姿は正に僕にそっくりらしいんだけど、そんな所が似ていると言われても正直微妙だ。
 外にいても仕方がない。僕は家へと戻るために踵を返す。シエルもそれに倣うように僕の隣に並んだ。
「悪いようにはならないって。ね、父さん、そんなことより朝御飯食べようよ。今出来た所なんだ」
「ああ、それじゃ、冷めないうちに食べないとね」
 シエルが嬉しそうに笑って、頷いた。その顔は小松君そっくりだ。シエルの作る料理はルー程じゃないし、形も綺麗とは言い難いけれど、味は美味しい。
「今日は母さんが焼いたパンと、ベーコンの葉とスクランブルエッグと……」
 うきうきと献立を指折り数えていくシエルの姿に、僕は微かに笑った。本当にこういう所は小松君そっくりだ。
「それは楽しみだね。さ、その美味しそうな料理、早く僕に食べさせてくれる?」
 シエルの肩を叩いて、僕は静かに家の扉を開く。
「あ、父さん、ご飯食べたらまたハントの話してよ! デビル大蛇と戦うやつ!」
「またそれ?」
「いーじゃん! 減るもんじゃないし!」
 ね、いいでしょ? と、シエルがはしゃいで僕に纏わり付くのを、僕は笑みを浮かべて家の中に入るよう促した。このままじゃいつまで経っても家に入れそうにない。
「朝食が終わったら、ね」
 やったー! と、シエルがはしゃぐ。そんな息子の姿が眩しくて、僕は静かに瞳を眇めた。
 まあ、確かにこんな日も悪くない。男二人、家でのんびりするのもいいだろう。
 僕はシエルが家の中にはしゃぎながら入っていくのを追いかけながら、静かにそんなことを思った。
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