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アニトリはココさんだけ凄くかっこよかったです。いや、雄くさいというか、色っぽい?
これは小松君惚れちゃうね!
でも小松君とトリコさんの作画はちょっと微妙だったかなー。


続きより、某方と話していたら萌えたので吐き出し。
両片思い好きすぎてやばい。

【黄身とケチャップ色の恋】

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「僕はわりと、淡白な方だと思っていたんだけど」
「はい?」
小松君が料理をする後ろ姿を見ながら、僕は居間の椅子に座りつつ、不意に思いついたままを口にした。唐突な僕の言葉に、料理をしていた小松君は驚いたように僕を振り返る。
「何かに執着したり、嫉妬したり、そんなこと、僕は今までなかったんだ」
「……そんな感じしますね」
小松君は苦笑を浮かべて、フライパンの上に溶いた卵を流し込む。卵の焼ける音がじゅわと聞こえてきた。
「それはただ僕が淡白なだけだと思っていたんだけど」
「違うんですか? ココさん、物欲的なものが何もなさそうですよね。食べるのは結構好きそうですけど、なんでもいいって感じですし」
そうだね。僕は小松君の言葉に、苦笑を浮かべる。なんでもいいのではなく、小松君の料理が好きなだけなのだけど、君にはどうやら気付かれていないようだ。
「最近、どうやらそうでもないことに気付いたんだよ」
「何か欲しいものでも、見つかりました?」
よっと、と小松君があらかじめ作っていたケチャップライスを卵の上に乗せる。多分、フライパンの上でそのご飯は卵に優しく巻かれているのだろう。小松君に包まれる僕のように。
「うん。とっても欲しいものが見つかったんだ」
「へえ、食材ですか? それとも、他のものですか?」
ココさんの欲しいもの。凄く手に入れるの苦労しそうですねー。
そんな風に呑気に言いながら、小松君がフライパンに皿を被せた。タイミングを計り、フライパンを逆さにする。ふわりと皿から湯気が立ち上るのが見えた。
「はい、出来ましたよ」
あっという間に、ケチャップが掛けられたオムライスが僕の前に出された。
「ありがとう」
小松君のものは既に僕の目の前に置かれている。少し冷めてしまったのではと思ったけれど、小松君がこれで良いのだと聞かないので、お言葉に甘えて温かいそれを頂くことにした。
「いただきます」
「いただきますっ!」
二人で声を合わせて、スプーンを手に取る。半熟のとろりとしたそれがケチャップと良く合う。
小松君も美味しそうににこにこしながらオムライスを食べていた。なんというか、似合う。
「ついてるよ」
僕は笑って、小松君の口端についたケチャップを指先で拭ってやった。そのままソースを舐めると、小松君がぽかんと僕を見上げている。
「どうかした?」
「無自覚にそういうことするの、やめません?」
「どうして?」
「恋人じゃあるまいし……恥ずかしいですよ」
小松君が照れたように視線を逸らした。僕がその可愛らしい態度に笑っていると、小松君がむっとしたように僕を見上げてくる。
「……あ、そういえば」
小松君が食べる手を止めて、不意に僕を見上げた。
「ココさんの欲しいものって、なんなんですか?」
「うん? 僕の欲しいものはね」
聞きたい? そう言うと、小松君はどこか期待したようにこくこくと頷いた。
僕はその姿に、ふふふ、と笑う。
「キミ」
「へ? 黄身?」
小松君が卵を見下ろす。違う違うと僕は手を振った。それから僕は、小松君の胸に人差し指をとんと押し当てる。

「君が欲しい」

君の心も体も、全て僕のものにしたい。君にキスして、君の体を抱きしめて、とろとろに蕩けさせたい。
僕は、君のトクベツになりたかった。
それが恋人だというのなら、僕は君の恋人になりたい。
そう言えば、ケチャップのように君が真っ赤に染まった。
だから僕は笑って、君のケチャップへ、そっと口付けを贈ることから始めようと思う。




こういう料理しながら誰かとやり取りする小松君が好きです。凄く小松君の日常っぽい感じがして。
そしてオムライスはただ単に今、私が食べたいだけという。
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