[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
元々設定はその神が考えていたもので、それを元に小説に書き起こさせて貰いました。
本当に、本当に凄いんだよ!!そのお話を聞かされたとき本気で震えましたよねー。
なんという神。
それから、その方の闇落ちココさんのイラストが本当に格好良すぎて、わ、私どうした、ら……!
そして小松君が天、使……!
うわーうわー!!すっっっごく素敵な、の……!
許可頂けたら私すんごいどや顔で飾ります。
続きからは手ブロで当初描こうとしていたお話。
ぼんやりと思い描いていたものを手ブロで描いて、それを元に文字にしてみようとしたんですが。
どうしてこうなったって思うくらい違うものが出来上がって私はもう首を傾げるしかない。
いや、でもイメージとか根底にあるものは同じ雰囲気だと思います。レッツピンク!
つまり、臭いココさんが書きたかったんです。
もーー。表現力と画力が来い!w
【春呼人】
桜の花がひらり、と舞う。木の根に腰を降ろし、その様を見た僕はゆっくりと瞳を閉じる。
遠くからトリコやゼブラ達が、馬鹿騒ぎしている声が響いてきた。それを嗜める、更に大きな声に僕は口端を緩める。
程なくして、その騒ぎが鳴りを潜めた。多分「ご飯作りませんよ」と、いうあの二人にとっては致命的な小松君の言葉でも放たれたに違いない。
猛獣使い。多分、サニー辺りは笑って、そんなことを言っているんだろう。瞼に目を隠していても、すぐ目の前で行われているのではと思うくらいに頭に思い浮かぶその光景に、僕は小さく吐息のような声を漏らす。
温かい春の日差しが心地良い。風も優しく、頬を撫でていくその感触が気持ち良かった。和やかに過ぎていく時間は、僕に穏やかでいて静かな時間を運んでくる。
「ココさん?」
不意に、間近に聞こえた声に僕は目を開いた。一瞬逆行でよく見えなかったけれど、そのシルエットはとても見覚えのある姿だ。
「やあ、小松君」
僕はその目の前の人に笑う。小松君もにこりと、微笑み返してくれた。
「眠っているのかと思いましたよ」
「眠ってもいいくらい、ここは気持ち良いけどね」
確かに。
小松君は言って、空を見上げた。いや、正確には桜だろうけれど。
その肩に、ぴたりと桜の花が舞い落ちた。小松君は気付いていない。僕は手を伸ばして、そっとその肩に落ちた花を摘む。
小松君が僕の動きに気付き、指に摘まれたその花弁を目に留めて、柔らかく笑った。
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
僕はその花弁を指先から解放する。自由を得た花弁は、すぐに風にさらわれて青空高く消えていった。
「……知ってます?」
それを見送った小松君が、身を屈めて僕の顔を覗き込む。何を? と、目線で問い掛ければ、再び小松君が桜を見上げた。
「落ちてくる桜の花弁を二本の指で摘んで取ると、願いが叶うそうですよ」
小松君がそう言って、舞い落ちてきた花弁を指先で摘もうとし始める。花弁はひらひらと、小松君の指先を弄ぶように寸での所で逃げ出していく。ムッとしたように両手を使って必死に花弁に手を伸ばす様は、ちょっと滑稽だ。
「にゃっ!? ちょっと馬鹿にしましたね!? 難しいんですから、これ!」
「してないよ」
何度やっても出来ないんです。と、小松君は頬を膨らませた。
どうやら、さっきトリコ達の所でもやってきたらしい。僕は立ち上がって、ひらひら落ちてくる花弁を眺める。小松君がやや緊張したような眼差しで見つめてくるのがわかった。
僕はその姿に、くすりと笑う。指先を伸ばすと、ごくりと小松君が僕を見つめた。
むに。
それを摘むと、そんな音がしてきそうだった。
「ココひゃん?」
頬を摘まれた君は、怪訝そうに眉を顰めて僕を見上げている。その餅のように伸びた頬から手を離せば、そこは桜のように紅く染まっていた。「
もう、ふじゃけにゃいでくらひゃい!」
「何言ってるかわかんないよ」
僕らの間に落ちてきた花弁を、僕はぱっと指先で摘んだ。
「あっ!」
小松君がそれを見て、声をあげた。僕は指先で花弁を弄びながら、そこに目線が釘付けになっている小松君ににやりと笑ってみせる。
「これでいい?」
「ははっ、流石ココさんですね。お願いごとは何にするんですか?」
風が一瞬、強くなった。桜がそれに釣られるように、宙を舞う。
「君の願いごとが、叶いますようにって」
「え?」
僕の言葉に、笑みを潜めた小松君が僕を驚いたように見上げた。その桜色の唇に花弁を押し付けて、僕は笑う。「だって、僕のお願いごとは君が叶えてくれたから」
唇から花弁を剥がし、僕はその花弁へとまた口付ける。小松君の頬が、桜色とはいえないくらいに真っ赤に染まった。
「こ、ココさんっ!」
「……君は、何をお願いしようとしていたの?」
僕が問い掛けると、小松君はぐっと何かを堪えるように一度唇を引き結んだ。照れたように視線を逸らす小松君の名前を呼ぶと、数拍遅れた後に観念したようにその唇が薄く開いた。
「…………ココさんと、同じです」
「え?」
小松君の顔を見つめていると、段々とその頬に差す赤みが強くなってくる。それでも僕がじっと見つめていると、小松君は体ごと僕に背中を向けた。
僕は笑って、手にしていた花弁を指先から離す。僕はそのまま指先を、桜色の君へと伸ばすことにした。