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拍手ありがとうございましたー!
励みになるなるぅ(*´ω`*)うひひ!
はー、サイトの今年の更新は終わりましたー。
今まで読んで下さった方々、ありがとうございました。
なんというかファイル数数えてびっくりです。
頑張りました。今年だけでもupしたやつは全部で30作くらいあるんじゃないでしょうか(日記とオフライン除く)
オフラインは全部で8冊?ですね。私にしては、すげえ。
ちなみに ナンバリングミスってるので、 1 2 3 3 4 6 7 8
って具合ですが。 5がないwwww LovePoisonとキスからはじめよう持ってる方は見てみると面白いかもー。
見事に失敗してるので←
更新はしないと言いましたが日記は更新しないとは言っていないぞフハハハ!!←
十二国記続き書いてみました。よければどぞー。
泰麒麟小松に悶えてからおよそ半年。今更また書き始めるとは思わなんだ。このまま最後までいけるといいなー!
ちょっと褒め言葉貰うとすぐにやる気出す単純な私です。
ただ、今年の更新は本当にここで最後になると思いますー。
冬コミ終わったらその日の夜に大阪にいってきます(`・ω・´)お友達の家にお世話になりにいくよ!
1/6に帰ってくるので、もしも気力があったらその日に日記でも書きたいな。
なので来週の更新分も含めて本日更新です!
楽しんできますねー!京都にもいくんだボクァ…!安倍晴明神社にいってきます。楽しみ楽しみ(*´ω`*)!
そんでもって厄除け買ってきます。今年は出だしから色々散々な年だったので!ww
や、もうあいなさんに表紙描いて貰ったり萌えトークして貰ったりしているのでとても嬉しいこと盛りだくさんの締めとなっているんですが!w
こういう時いつも十二国記のこの言葉が思い浮かびますねー。
「生きるということは、嬉しいこと半分、辛いこと半分なのですよ。
人が幸せであることは、その人が恵まれているからではなく、ただその人が幸せであろうとしたからなのです。
苦労を忘れる努力、幸せになろうとする努力、それだけが人を真に幸せにするのですよ・・・」
つまりココマを書けばココマが貰える!ココマを見れば幸せになれる!つまりココマ!!(違
私の一言で全てが台無しになったというのはお友達の名言にしておきましょう←
明日の冬コミは、お願いした売り子さんに開始しょっぱなは買いものにいってきていいよと嬉しいお言葉を頂けたので私はいません。買いものにいってます(`・ω・´)ドヤァ!←
1時間くらいで戻ってこれるとは思います。
が、すいません差し入れ返しとか差し入れを作っていなくて…!
今回作れそうにないので、頂いても返すものがありません…!(゚Д゚;)
でも、声だけでも掛けて頂けたら嬉しいですー(*´ω`*)
はやくあいなさんの表紙みたいなー!楽しみです…!どんな風に素敵に仕上がってるかな、ワクワク!
ポスターもあいなさんの絵が可愛らしく妖精のごとく光り輝いていますので、是非見に来て下さいー!
でもあげないよ!小松君(あいなさんの絵)は僕のだからね!
ってか某あいなさんのブログ見てたら…!私のこと持ち上げ過ぎだってば!w
あいなさんに「エロ神様」というレッテルを貰いましたが、それはあいなさんのことだと思います!ます!w
だって白濁としたものを水着の小松君に掛けるとか、キスマークの話とか、僕の匂い云々とか……えろいって!えろいよね!?
それから某方から「エロがもっと読みたい」と言われて私大爆笑。
私もあなたのエロが読みたいです。と、ひっそりとここに伝言書いておきますー←
さて、チョーシ乗りすぎるのもここまでにしておいて。
以下、続きより十二国記パロです。
やっとココマっぽくなってきたゼェ……!
小松君の見えない傷を徐々に癒すぜ!
※原作忠実パロではありません
※設定色々捏造中です。
苦手な方はご覧にならないようにして下さい。
励みになるなるぅ(*´ω`*)うひひ!
はー、サイトの今年の更新は終わりましたー。
今まで読んで下さった方々、ありがとうございました。
なんというかファイル数数えてびっくりです。
頑張りました。今年だけでもupしたやつは全部で30作くらいあるんじゃないでしょうか(日記とオフライン除く)
オフラインは全部で8冊?ですね。私にしては、すげえ。
ちなみに ナンバリングミスってるので、 1 2 3 3 4 6 7 8
って具合ですが。 5がないwwww LovePoisonとキスからはじめよう持ってる方は見てみると面白いかもー。
見事に失敗してるので←
更新はしないと言いましたが日記は更新しないとは言っていないぞフハハハ!!←
十二国記続き書いてみました。よければどぞー。
泰麒麟小松に悶えてからおよそ半年。今更また書き始めるとは思わなんだ。このまま最後までいけるといいなー!
ちょっと褒め言葉貰うとすぐにやる気出す単純な私です。
ただ、今年の更新は本当にここで最後になると思いますー。
冬コミ終わったらその日の夜に大阪にいってきます(`・ω・´)お友達の家にお世話になりにいくよ!
1/6に帰ってくるので、もしも気力があったらその日に日記でも書きたいな。
なので来週の更新分も含めて本日更新です!
楽しんできますねー!京都にもいくんだボクァ…!安倍晴明神社にいってきます。楽しみ楽しみ(*´ω`*)!
そんでもって厄除け買ってきます。今年は出だしから色々散々な年だったので!ww
や、もうあいなさんに表紙描いて貰ったり萌えトークして貰ったりしているのでとても嬉しいこと盛りだくさんの締めとなっているんですが!w
こういう時いつも十二国記のこの言葉が思い浮かびますねー。
「生きるということは、嬉しいこと半分、辛いこと半分なのですよ。
人が幸せであることは、その人が恵まれているからではなく、ただその人が幸せであろうとしたからなのです。
苦労を忘れる努力、幸せになろうとする努力、それだけが人を真に幸せにするのですよ・・・」
つまりココマを書けばココマが貰える!ココマを見れば幸せになれる!つまりココマ!!(違
私の一言で全てが台無しになったというのはお友達の名言にしておきましょう←
明日の冬コミは、お願いした売り子さんに開始しょっぱなは買いものにいってきていいよと嬉しいお言葉を頂けたので私はいません。買いものにいってます(`・ω・´)ドヤァ!←
1時間くらいで戻ってこれるとは思います。
が、すいません差し入れ返しとか差し入れを作っていなくて…!
今回作れそうにないので、頂いても返すものがありません…!(゚Д゚;)
でも、声だけでも掛けて頂けたら嬉しいですー(*´ω`*)
はやくあいなさんの表紙みたいなー!楽しみです…!どんな風に素敵に仕上がってるかな、ワクワク!
ポスターもあいなさんの絵が可愛らしく妖精のごとく光り輝いていますので、是非見に来て下さいー!
でもあげないよ!小松君(あいなさんの絵)は僕のだからね!
ってか某あいなさんのブログ見てたら…!私のこと持ち上げ過ぎだってば!w
あいなさんに「エロ神様」というレッテルを貰いましたが、それはあいなさんのことだと思います!ます!w
だって白濁としたものを水着の小松君に掛けるとか、キスマークの話とか、僕の匂い云々とか……えろいって!えろいよね!?
それから某方から「エロがもっと読みたい」と言われて私大爆笑。
私もあなたのエロが読みたいです。と、ひっそりとここに伝言書いておきますー←
さて、チョーシ乗りすぎるのもここまでにしておいて。
以下、続きより十二国記パロです。
やっとココマっぽくなってきたゼェ……!
小松君の見えない傷を徐々に癒すぜ!
※原作忠実パロではありません
※設定色々捏造中です。
苦手な方はご覧にならないようにして下さい。
「シェフ、これを」
「あ、メルクさん! 起こしちゃいました? ごめんなさい」
泰麒と呼ばれることに、小松はまだ慣れていないと言う。そんな小松の心の内を知ってか知らずか、いつの間にかメルクは主のことを「シェフ」と呼ぶようになった。どこか照れ臭いその気遣いが、彼にはとても嬉しいものだった。
差し出された包丁は、メルク特製の、彼に合わせて作られた特別な包丁だった。なんでも、蓬山で取れた特別な石と、魔物の牙から作ったものだとい うことらしかった。彼にとって、これ以上に嬉しい贈り物はない。大喜びした彼に、メルクも目を細めてとても嬉しそうに微笑んでいた。
「メルクさんの包丁、とても使いやすいです」
凄く素敵です。と、誉めればメルクは照れたように笑う。そんな彼女の微笑む顔を横目に、彼は取り出した食材を水で洗い始めた。
洗った材料は全て角型になるように細かく切り、鍋に火をつける。油を引いて旨味にんにくを炒め、色味がついたら肉をいれ、野菜をいれ、細かく切り刻んだ材料を徐々に加えて、ネオトマトを加えて煮込む。鍋の火を弱くした所で、小松は次の料理へと取りかかる。
食材を手にしながら、彼はふと先程再開した二人のことを思い出していた。
先日出会ったトリコとココのことだ。色々な人の話を聞けば、あのココとトリコという武将は中々に優れた人物らしかった。
ココは見た目通り英知に富んだ人物で、物腰も柔らかく出来物だと周りが賞賛しているのを彼は聞いた。けれどどことなく影があり、あまり人と関わり合いを持たない人物だということも、彼は同時に耳にしていた。
仕事以外のプライベートが全くの謎に包まれ、それが人々の目には神秘的に見えるらしく、その容姿と相俟って密かに人気を博しているらしい。小松にはいまいちその話のイメージと、実際に話したココのイメージが上手く合致しない。
トリコは鷹揚で、人徳もあり、慕っている部下も多い。礼儀には多少問題があるらしいものの、それでも彼を悪く言う者はいない。これも人徳という ものなのだろうかと、小松は首を傾げる。確かにトリコに関しては明るく、まるで太陽のようなイメージを彼はあのたった一度の出会いで持っていた。トリコに 関しては、噂通りの人物のような気がした。
トリコが太陽と言うのならば、ココは月だろうか。鍋をかき回しながら、小松は苦笑する。けれど、そのイメージにおいて圧倒的に二人の間に違うものがある。
決して荒々しいというわけでも、乱暴な振る舞いがあったわけでもないのだが、ココに会うのはなんとなく、怖い。
不思議な気分だった。この気持ちはなんだろうか。怖いと思うのに、同時にもう一度会いたいと思ってしまう。それは決して、悪い気分ではなかった。
それでもなんとなく、傍に行ってみたいと思った。彼は料理をしている間ずっと煮込んでいた料理を覗き込む。出来上がったミネストローネを小皿に掬い、それを味見をする。
「うん、美味しい!」
メルクさんもどうですか? と、小松が差し出せば、メルクも頷いて皿を受け取った。
「……! 美味しい!」
彼はにこりと微笑んだ。本来であれば、メルクは食事を必要としない生き物だが、小松の料理だけは食べてくれる。それが彼には、少しくすぐったい。
「何か手伝うことはある?」
ぎょっとメルクと小松が振り返る。そこにいたのは、扉に背を凭れさせているココの姿だった。普段鎧を着ていたココは、今は普段着らしい衣服を身に纏っている。
小松はココがここにいるのが、少しばかり意外だった。だって普通、ココやトリコのような上流階級のものは厨房には 顔を出さない。小松が厨房に行って、女仙に驚かれた記憶が小松の脳裏に呼び起された。その顔に、ココも小松が何を言いたいのか悟ったのだろう、口元を隠し ながら、ココは穏やかに笑う。
「我が国の麒麟が厨房で手料理を振舞っているのに、居ても立ってもいられなくてね」
僕はトリコとは違うよ。と、ココは冗談めいて言う。小松も僅かに笑みを浮かべながら、頬を掻いた。
「それ、君の女怪?」
「あ、はい! メルクさんです。ごめんなさい、厨房には誰も来ないと思って、手伝って貰ってて……」
「いや、僕は構わないよ」
メルクが不服そうにしながらも、小松の影の中に溶け込んだ。ココが「へえ」と物珍しそうに声をあげる。
「この包丁もメルクさんが作ってきてくれて! 凄く手に馴染んで、使いやすいんです」
「これは……素晴らしい包丁だね」
ココが小松の近くに歩み寄り、その手元を覗き込む。驚いたように目を見張ったココに、小松は誇らしくなった。メルクに作ってもらったこの包丁のことを褒められるのは、自分のことのように嬉しい。
「手入れも行き届いているし、君がこの包丁をどんな風に扱っているのか、よくわかる」
まだ使い始めてからそんなに日は経っていないのに、ココは本当に感心したようにそう言う。
「見てわかりますか?」
「うん。この包丁、君が使ってくれることに、凄い喜びを感じているように思える」
そんな気がしたんだ。と、ココは小松から僅かに離れて笑う。その柔らかく優しい笑みと言葉に、小松は照れたように笑った。
「すっごく嬉しいです!」
屈託なく笑う小松に、ココは僅かに目を細めた。ココのそんな姿は、小松の心をざわざわとざわめかせる。その瞳に映っているというだけで、なんだか酷く落ち着かなかった。
「料理は出来たの?」
「あ、はい! トリコさん沢山お召し上がりになると聞いたので、いっぱい作ったんですけど……」
ちらりと小松が見た背後には、なるほど沢山の料理がある。それは普通の人間が食べるならば、の話だ。
「……うん、沢山作ったね」
「はい! これで足りるでしょうか?」
「足りないと思う」
「みぎゃっ!?」
ココの即答とも言える言葉に、小松は思わず悲鳴にも似た驚きの声をあげた。ココは苦笑を浮かべて、腕まくりをする。
「あの食いしん坊ちゃんの胃袋には、僕もほとほと困り果ててるんだ」
食材を手にしたココが、包丁を取り出して魚を捌き始める。その姿に、小松は更に驚いた。
「りょ、料理出来るんですか!?」
「うん。僕もちょっとだけなら出来るよ」
君ほどではないけどね。と、ココは小松の出来上がった料理を眺める。
「ココさんみたいな人が料理をするなんて、意外です」
「そうかい? 確かに、珍しいのかもしれないな」
ココはなんでもないことのようにそう言った。それは小松が今まで気にしていたことだ。人と違うことをすれば目立つ、だからしてはいけない。と、 そう言われてきた小松にとって、ココの言葉に幾許かの救いのようなものを感じてしまう。それは小松に、ここにいてもいいのだと暗に告げているようで、小松 の胸を仄かに温めた。
「さて、食いしん坊ちゃんが食卓を食べてしまう前に終わらせないと。手伝ってくれるかい? 小松君」
ココが食材を手にして、小松に差し出す。小松はそれを受け取って、にっこりと笑って頷いた。
「はいっ! 喜んで!」
誰かと並んで料理をすること。それがこんなにも楽しいものだとは、小松は思ったことがなかった。女仙達と料理をしたこともあったけれど、やはり そこにはどこか線引きのようなものがあったように思える。楽しくはあったのだけれど、ふとした時に溝のようなものを小松は感じていた。だからココのこんな 気遣いや言葉の、一挙一動に小松は喜びを覚えていた。
小松はココと、料理を作る短い間の中で、色々な話を沢山した。食材の捌き方を教えて貰い、味付けについて話し合い、味見をしては「美味しい」と 頷きあう。それは彼にとって、この世界にきてから一番充実している時間のように思えた。料理は話している間にみるみると出来上がり、机の上はにもう隙間が ないくらいに皿が並べられている。
それを二人で満足そうに見下ろし、ココは額に僅かに滲んでいた汗を拭った。
「ふう、こんなもんかな。手伝ってくれてありがとう、小松君。あとはこれを運ぶだけだ」
それはトリコにやらせよう。手を拭きながら、ココは小さく息を吐く。机に並べられた料理は温かそうな湯気を立て、食べられるのを今か今かと待ち望んでいる。きらきらとした料理を前に、小松は満足気に微笑んだ。
ココがトリコを呼ぼうと扉を開き掛けた所で、小松はココの袖をくいと引っ張った。それに気付いたココは、膝をついて小松の前で首を傾げた。
「どうかした?」
「……あのっ、えっと……また、一緒に料理しても、いいですか?」
小松の頬は興奮に紅く染まっている。ココはその姿を眩しく感じながら、沸き起こる加護欲のようなそれを胸に感じながら、力強く頷いた。
「僕も色々と勉強になるよ。君が良ければ、また手伝ってもらえると嬉しいな」
あいつの朝飯を作るのはちょっと骨がいるからね。ココがそう言えば、小松の顔が嬉しそうにぱっと煌めき始める。
「……ッ! はいっ! ありがとうございます!」
喜ぶ小松の頭を撫でて、ココはその体を抱きあげた。小さな手がココの肩に乗り、ココの目線よりも高くなった小松の大きな目がココを見下ろす。
「食べるのが、楽しみだね」
「はいっ!」
ココと二人で作った料理と、小松が作った料理はその後、すぐになくなった。一人で作った料理よりも、人と一緒に作った方が嬉しいし、楽しいし、美味しい。小松はココと作った料理に、嬉しそうに舌鼓を打った。
その姿をどこか眩しそうに、嬉しそうに見つめるココの姿は彼を知る人が見れば驚きに目を見張ったことであろう。
その後、トリコがこの時のココの姿を「気持ち悪い面だった」と、周りの人間に言っていたとココが知るのは、このずっと後の話である。
「あ、メルクさん! 起こしちゃいました? ごめんなさい」
泰麒と呼ばれることに、小松はまだ慣れていないと言う。そんな小松の心の内を知ってか知らずか、いつの間にかメルクは主のことを「シェフ」と呼ぶようになった。どこか照れ臭いその気遣いが、彼にはとても嬉しいものだった。
差し出された包丁は、メルク特製の、彼に合わせて作られた特別な包丁だった。なんでも、蓬山で取れた特別な石と、魔物の牙から作ったものだとい うことらしかった。彼にとって、これ以上に嬉しい贈り物はない。大喜びした彼に、メルクも目を細めてとても嬉しそうに微笑んでいた。
「メルクさんの包丁、とても使いやすいです」
凄く素敵です。と、誉めればメルクは照れたように笑う。そんな彼女の微笑む顔を横目に、彼は取り出した食材を水で洗い始めた。
洗った材料は全て角型になるように細かく切り、鍋に火をつける。油を引いて旨味にんにくを炒め、色味がついたら肉をいれ、野菜をいれ、細かく切り刻んだ材料を徐々に加えて、ネオトマトを加えて煮込む。鍋の火を弱くした所で、小松は次の料理へと取りかかる。
食材を手にしながら、彼はふと先程再開した二人のことを思い出していた。
先日出会ったトリコとココのことだ。色々な人の話を聞けば、あのココとトリコという武将は中々に優れた人物らしかった。
ココは見た目通り英知に富んだ人物で、物腰も柔らかく出来物だと周りが賞賛しているのを彼は聞いた。けれどどことなく影があり、あまり人と関わり合いを持たない人物だということも、彼は同時に耳にしていた。
仕事以外のプライベートが全くの謎に包まれ、それが人々の目には神秘的に見えるらしく、その容姿と相俟って密かに人気を博しているらしい。小松にはいまいちその話のイメージと、実際に話したココのイメージが上手く合致しない。
トリコは鷹揚で、人徳もあり、慕っている部下も多い。礼儀には多少問題があるらしいものの、それでも彼を悪く言う者はいない。これも人徳という ものなのだろうかと、小松は首を傾げる。確かにトリコに関しては明るく、まるで太陽のようなイメージを彼はあのたった一度の出会いで持っていた。トリコに 関しては、噂通りの人物のような気がした。
トリコが太陽と言うのならば、ココは月だろうか。鍋をかき回しながら、小松は苦笑する。けれど、そのイメージにおいて圧倒的に二人の間に違うものがある。
決して荒々しいというわけでも、乱暴な振る舞いがあったわけでもないのだが、ココに会うのはなんとなく、怖い。
不思議な気分だった。この気持ちはなんだろうか。怖いと思うのに、同時にもう一度会いたいと思ってしまう。それは決して、悪い気分ではなかった。
それでもなんとなく、傍に行ってみたいと思った。彼は料理をしている間ずっと煮込んでいた料理を覗き込む。出来上がったミネストローネを小皿に掬い、それを味見をする。
「うん、美味しい!」
メルクさんもどうですか? と、小松が差し出せば、メルクも頷いて皿を受け取った。
「……! 美味しい!」
彼はにこりと微笑んだ。本来であれば、メルクは食事を必要としない生き物だが、小松の料理だけは食べてくれる。それが彼には、少しくすぐったい。
「何か手伝うことはある?」
ぎょっとメルクと小松が振り返る。そこにいたのは、扉に背を凭れさせているココの姿だった。普段鎧を着ていたココは、今は普段着らしい衣服を身に纏っている。
小松はココがここにいるのが、少しばかり意外だった。だって普通、ココやトリコのような上流階級のものは厨房には 顔を出さない。小松が厨房に行って、女仙に驚かれた記憶が小松の脳裏に呼び起された。その顔に、ココも小松が何を言いたいのか悟ったのだろう、口元を隠し ながら、ココは穏やかに笑う。
「我が国の麒麟が厨房で手料理を振舞っているのに、居ても立ってもいられなくてね」
僕はトリコとは違うよ。と、ココは冗談めいて言う。小松も僅かに笑みを浮かべながら、頬を掻いた。
「それ、君の女怪?」
「あ、はい! メルクさんです。ごめんなさい、厨房には誰も来ないと思って、手伝って貰ってて……」
「いや、僕は構わないよ」
メルクが不服そうにしながらも、小松の影の中に溶け込んだ。ココが「へえ」と物珍しそうに声をあげる。
「この包丁もメルクさんが作ってきてくれて! 凄く手に馴染んで、使いやすいんです」
「これは……素晴らしい包丁だね」
ココが小松の近くに歩み寄り、その手元を覗き込む。驚いたように目を見張ったココに、小松は誇らしくなった。メルクに作ってもらったこの包丁のことを褒められるのは、自分のことのように嬉しい。
「手入れも行き届いているし、君がこの包丁をどんな風に扱っているのか、よくわかる」
まだ使い始めてからそんなに日は経っていないのに、ココは本当に感心したようにそう言う。
「見てわかりますか?」
「うん。この包丁、君が使ってくれることに、凄い喜びを感じているように思える」
そんな気がしたんだ。と、ココは小松から僅かに離れて笑う。その柔らかく優しい笑みと言葉に、小松は照れたように笑った。
「すっごく嬉しいです!」
屈託なく笑う小松に、ココは僅かに目を細めた。ココのそんな姿は、小松の心をざわざわとざわめかせる。その瞳に映っているというだけで、なんだか酷く落ち着かなかった。
「料理は出来たの?」
「あ、はい! トリコさん沢山お召し上がりになると聞いたので、いっぱい作ったんですけど……」
ちらりと小松が見た背後には、なるほど沢山の料理がある。それは普通の人間が食べるならば、の話だ。
「……うん、沢山作ったね」
「はい! これで足りるでしょうか?」
「足りないと思う」
「みぎゃっ!?」
ココの即答とも言える言葉に、小松は思わず悲鳴にも似た驚きの声をあげた。ココは苦笑を浮かべて、腕まくりをする。
「あの食いしん坊ちゃんの胃袋には、僕もほとほと困り果ててるんだ」
食材を手にしたココが、包丁を取り出して魚を捌き始める。その姿に、小松は更に驚いた。
「りょ、料理出来るんですか!?」
「うん。僕もちょっとだけなら出来るよ」
君ほどではないけどね。と、ココは小松の出来上がった料理を眺める。
「ココさんみたいな人が料理をするなんて、意外です」
「そうかい? 確かに、珍しいのかもしれないな」
ココはなんでもないことのようにそう言った。それは小松が今まで気にしていたことだ。人と違うことをすれば目立つ、だからしてはいけない。と、 そう言われてきた小松にとって、ココの言葉に幾許かの救いのようなものを感じてしまう。それは小松に、ここにいてもいいのだと暗に告げているようで、小松 の胸を仄かに温めた。
「さて、食いしん坊ちゃんが食卓を食べてしまう前に終わらせないと。手伝ってくれるかい? 小松君」
ココが食材を手にして、小松に差し出す。小松はそれを受け取って、にっこりと笑って頷いた。
「はいっ! 喜んで!」
誰かと並んで料理をすること。それがこんなにも楽しいものだとは、小松は思ったことがなかった。女仙達と料理をしたこともあったけれど、やはり そこにはどこか線引きのようなものがあったように思える。楽しくはあったのだけれど、ふとした時に溝のようなものを小松は感じていた。だからココのこんな 気遣いや言葉の、一挙一動に小松は喜びを覚えていた。
小松はココと、料理を作る短い間の中で、色々な話を沢山した。食材の捌き方を教えて貰い、味付けについて話し合い、味見をしては「美味しい」と 頷きあう。それは彼にとって、この世界にきてから一番充実している時間のように思えた。料理は話している間にみるみると出来上がり、机の上はにもう隙間が ないくらいに皿が並べられている。
それを二人で満足そうに見下ろし、ココは額に僅かに滲んでいた汗を拭った。
「ふう、こんなもんかな。手伝ってくれてありがとう、小松君。あとはこれを運ぶだけだ」
それはトリコにやらせよう。手を拭きながら、ココは小さく息を吐く。机に並べられた料理は温かそうな湯気を立て、食べられるのを今か今かと待ち望んでいる。きらきらとした料理を前に、小松は満足気に微笑んだ。
ココがトリコを呼ぼうと扉を開き掛けた所で、小松はココの袖をくいと引っ張った。それに気付いたココは、膝をついて小松の前で首を傾げた。
「どうかした?」
「……あのっ、えっと……また、一緒に料理しても、いいですか?」
小松の頬は興奮に紅く染まっている。ココはその姿を眩しく感じながら、沸き起こる加護欲のようなそれを胸に感じながら、力強く頷いた。
「僕も色々と勉強になるよ。君が良ければ、また手伝ってもらえると嬉しいな」
あいつの朝飯を作るのはちょっと骨がいるからね。ココがそう言えば、小松の顔が嬉しそうにぱっと煌めき始める。
「……ッ! はいっ! ありがとうございます!」
喜ぶ小松の頭を撫でて、ココはその体を抱きあげた。小さな手がココの肩に乗り、ココの目線よりも高くなった小松の大きな目がココを見下ろす。
「食べるのが、楽しみだね」
「はいっ!」
ココと二人で作った料理と、小松が作った料理はその後、すぐになくなった。一人で作った料理よりも、人と一緒に作った方が嬉しいし、楽しいし、美味しい。小松はココと作った料理に、嬉しそうに舌鼓を打った。
その姿をどこか眩しそうに、嬉しそうに見つめるココの姿は彼を知る人が見れば驚きに目を見張ったことであろう。
その後、トリコがこの時のココの姿を「気持ち悪い面だった」と、周りの人間に言っていたとココが知るのは、このずっと後の話である。
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