忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

拍手いつもありがとうございますー!
日記、気付いたら二週間程放置してて時間が流れるのは早いなーと痛感しました(笑
そして冬コミの合否通知がもうすぐですね。緊張!受かりますように!

更に更に、旅行に行こうとしていたら旅行会社が倒産してしまって頭真っ白です。oh!
半年掛けて計画していたんですが、友人に愚痴ると高確率で爆笑されますコノヤロー!w
でも確かに、コントみたいですよねー(笑


さて、続きは久々更新 十二国記です。
そろそろ終わらせたい。

※十二国記パロです。
※原作忠実パロではありません
※設定色々捏造中です。
苦手な方はご覧にならないようにして下さい。


拍手





「小松!」
「小松君!」
 そこにいたのは、先程よりも大きな大蛇の近くで、蛇に睨まれた蛙のように微動だに出来ない小松だった。二人はその姿を見て、息を呑む。
「なんであんなやつがここにいるんだよ!」
「僕が知るか! くそ、こんな黄海の中腹に、鬼熊なんて聞いたことがないぞ! さっきの入り口のにあった跡は、こいつがつけたやつだったか!」
 熊はその黒い瞳をトリコとココへと視線を向ける。その足元で、小松が怯えたように震えた。
「小松! 逃げろ!」
 すらりと剣を取り出し、トリコが走り出す。ココもトリコに続き、剣を取り出して走り出した。巨大な闇のような影か、三人を呑み込む。シューシューとした熊の吐き出す臭気が、小松の体を動けなくさせていた。
「シェフ!」
 メルクが必死に小松へと手を伸ばす。その白い腕を見つめ、小松は首を振った。背後でトリコの剣が、熊の手に弾かれ、二つに折れる音がする。
 その手はトリコを振り払い、壁に打ち付けられた衝撃でトリコは口から血反吐を吐いた。
「トリコさん!」
「ばか、やろ……っ、逃げろ、ってんだろう、が!」
 駆け寄ろうとした小松をトリコは睨むように視線で止めた。小松はその視線に怖気ずくこともなく、トリコを真っ直ぐに見つめる。
「出来ません!」
 小松は強い意志でもってそう言った。それは思わず、トリコがたじろいでしまうような、強い視線だった。
「馬鹿なことを、言ってるんじゃない! 我儘を言っている場合じゃないんだよ!」
 ココが熊の鋭い爪を避けながら叫ぶ。鬼熊の牙を剣で受け止めたココの体を、獣は見逃しはしなかった。
「……っ、ぐ!」
「ココさん!」
「来るな、小松君!!」
 叫びに小松は足を止める。ココは体を熊の手によって掴まれ、そのままギリギリと締めあげられていく。小松はその光景に息を呑んだ。
 どうしたらいい? どうしたら皆を逃がしてあげられるのか? どうしたら、助けられる?
――剣印抜刀
 頭の中に浮かんだそんな言葉に、小松は身を委ねた。
「臨兵闘者皆陳烈前行――!」
 メルクに言葉だけ聞いていたそれを口に出して、小松は唱える。
 ぴたり、と鬼熊の動きが止まった。影のように真黒な二つの目が、小松に真っ直ぐに注がれる。
 緩められた熊の手から、ココの体がどさりと落ちた。
「にげて」
「……こまつ、くん!」
「今のうちです、逃げて下さい!」
 視線は外せない。外せば負けるのだと教わっていた。教わらずとも、今ならわかる。外せば食われるのはこちらだ、と。
「はやく、逃げて!」
 叫ぶように言葉を吐き出すと、洞窟に悲痛な声がこだましていく。それを破るように、静かな声が小松の耳に届いた。
「……無理だ」
 ココの僅かな声に、小松はぐっと唇を噛み締める。逸れそうになる意識を必死に目の前へと向けながら、小松はそれでも懇願する。
「お願いです……ぼくには――!」
「僕もトリコも怪我をしてる。動くことは到底できない」
 その言葉は絶望的だった。どれくらいの怪我をしたのか、無事なのか。それすら確認出来ない程、目の前のことに集中しなければならなかった。
 この妖魔を、あとはどうすればいいのか。二つの黒いな目を見据えながら、小松にはもうどうすればいいのか、わからなくなっていた。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
[459]  [458]  [457]  [456]  [455]  [454]  [453]  [452]  [451]  [450]  [449
忍者ブログ [PR]