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あけましておめでとうございます。
大分遅いですが、この前の日記で言い忘れていたなぁと思いまして。
今年も宜しくお願いします。
今年は昨年よりはちょっと更新ペースが落ちるとは思いますが、ちまちま更新はしたいと思っているのでたまに覗きにきて頂けたら嬉しいです。
学パロとか淫魔とか他色々と、グルメ国記も終わらせるぞ!と、いう意気込みも兼ねて纏めたものをトリコの長編コンテンツの中に置いておきましたー。
宜しければどうぞ!
あと続きからグルメ国記なんですが ちょっと延国に一龍さんな王と麒麟な三虎さんいたらいいなと思って滾っちゃったお話をぽいと置いておきます。
大分遅いですが、この前の日記で言い忘れていたなぁと思いまして。
今年も宜しくお願いします。
今年は昨年よりはちょっと更新ペースが落ちるとは思いますが、ちまちま更新はしたいと思っているのでたまに覗きにきて頂けたら嬉しいです。
学パロとか淫魔とか他色々と、グルメ国記も終わらせるぞ!と、いう意気込みも兼ねて纏めたものをトリコの長編コンテンツの中に置いておきましたー。
宜しければどうぞ!
あと続きからグルメ国記なんですが ちょっと延国に一龍さんな王と麒麟な三虎さんいたらいいなと思って滾っちゃったお話をぽいと置いておきます。
「兄者は王に選ばれて、良かったのか」
傍らで偉そうにふんぞり返っている長い黒髪の男が、ふと言葉を発した。
兄者と呼ばれた男は騎獣に跨りながら首を傾げる。
「ワシは良いと思わなければ、ここには来ておらん」
ニカッと人好きのする笑みを浮かべる男は、その身なりからは想像は出来ないが、雁州国の王その人だった。質素な衣服を着て、夜逃げのようにこっそりと、深夜の王宮から抜け出そうとしている所を、自身の半身とも呼べる麒麟の三虎に呼び止められた所だった。
「目敏いのう、三虎ちゃん」
「兄者のいる所なら、大体わかる。どうせまた街の様子でも見にいくのだろう」
そう言って目を伏せる三虎に、男は不意に優しげな色をその瞳に浮かべる。
「なんじゃ、三虎ちゃんも行きたいのか」
「……茶化すな、兄者。私は真面目に聞いている」
延王は三虎の視線を受け止めると、ふうと微かに息を吐き出した。
騎獣から降りると、その背中を叩き、王は自身の麒麟の元へと歩みを進める。三虎の強い視線が、王を貫いていた。
「ならばワシも聞こう、三虎。お前こそ、王がワシで良かったと思うのか」
三虎はその問いに、頷くことも、否定することも出来なかった。
三虎と一龍が生まれたのは、この世界ではなかった。この世界ではない世界で生まれた二人は、まるで兄弟のように育ち、別れ、再び時を越えてこうして出会うことが出来た。
これが、必然ではなく偶然なのか、なんなのか。それは誰にもわからない。
三虎の世界は最初から兄があってこそのものだった。兄を志し、兄を慕い、時には兄と喧嘩をしながら育ってきた。
王を選ばなければならない。
そう言われた時のことを、三虎ははっきりと覚えている。
彼しかいない。
自身の王となりえる人物を、三虎は一人しか知らなかった。
「……兄者で良かったのかはわからない。ただ、王を選べと言われた時、私には兄者しかいなかった」
この世界に引き摺りこんだこと、この国の王にしてしまったこと。
それがどんなに重く、辛いことかをあの時の自分は知らなかった。安易に兄を王に選び、そしてここに連れてきてしまったことを、三虎はそう思う度に胸の奥がちくりと痛めていた。
ただ、兄の傍にいられることが、あの時は堪らなく嬉しかった。
「ならば、ワシもそれで良い」
一龍の優しい声が聞こえた。その後、ぽんと幼い頃によくそうされたように頭を撫でられた。
三虎が視線を見上げた頃には、既に彼は騎獣を呼び寄せ、跨ろうとしている所だった。
その背中を見つめていると、不意ににやりと笑った一龍が三虎へと笑い掛ける。
「どうじゃ、お主もたまにはいってみんか。下界には美味いものがたんまりとあるぞ」
冗談混じりに言う兄がにやりと笑うものだから、三虎は少しだけ眉間に皺を寄せる。相変わらず何を考えているかわからない。だが、それが兄らしいと言えば、兄らしい。
三虎は口端で僅かに笑うと、自身の騎獣を呼び寄せる。
「……誘ったからには、兄者のおごりだな」
顔色を変えた一龍を置いて、三虎は優雅に騎獣に飛び乗ると街に降りるために騎獣を走らせる。後ろで一龍が何かを言っているが、そんなことは知ったことではない。
三虎は長い髪を風になびかせながら、誰に知られることもなく微かに笑って見せた。
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