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もうすぐイベントですね!楽しみ(*´σー`)エヘヘ

うおお、拍手ぽちぽち押して下さった方々ありがとうございましたっ!嬉しい(´▽`)
見て下さっている方がいるのだなあと嬉しくなりますほんとにっ!!

あ、それから【とらのあな】さんで、15日新刊の予約受付が始まったみたいです。
宜しくお願いします(´▽`*)

実は今回のイベント、新刊表紙を使ってポスターを作ってみようかと。
そして大分もう黒歴史化してるといっても過言ではないこの絵…。
でもでも!!!一度やってみたかったので、どどんとやってみることにしました。
踊る阿呆と見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損。
と、お友達からメールがきてたのに勇気付けられました(笑)
あと、続きに11月新刊の出だしをちょろっと載せておきます。
すんごい気になるように終わらせてやったので、引っ掛かりたくない方は見ないことをお勧めします(笑)

当日こんなものが掲げられていたら生温く見てやって下さいませ。
引き取り手募集中です(笑)
poster.jpg
 

拍手


「……ココさん、僕と別れて下さい」
 
 
 それは唐突のことだった。
 ホテルグルメで食事をした帰り、話があると言われて立ち寄った公園。背後で立ち止まった小松君からの突然の言葉に、僕は振り返った。
「小松君?」
「別れて下さい」
 はっきりと、小松君がその言葉を口にする。冗談にするにしてはたちが悪い。そもそも、小松君はその手の冗談は言わない。その目も、電磁波も、ある種の覚悟のようなものを滲ませていた。
「どういうこと?」
 小松君と今日会う約束をした時も、どこか切羽詰ったような声音をしていたのは知っていた。何か深刻な悩み事があるのかもしれないと二つ返事で了承したのはつい三日前の話だ。
「何かあったの?」
 小松君は首を横に振った。俯いたせいで、僕からはその表情がよく見えなくなってしまう。僕らの間に落ちた沈黙を笑うように、冷たい風が通り抜けていった。
 僕は眉間に皺を寄せて、小松君から目は逸らさないままにこの数ヶ月を振り返る。
 小松君は時たまどこかぼんやりと考え事をしていることはままあった。それが料理関連の考え事でないことは、僕も気付いてはいたのだ。たまに僕を見るその目が、一瞬ではあったけれど悲しげに歪んだのも何度も見ていた。
 声を掛ければよかったのだろうか。
 僕は言葉を失くしたように黙ったまま俯く小松君の姿を見つめる。あまり言いたくないことを無理に言わせてしまうのも嫌で、僕は小松君が自分から言い出してくれるのを待っていた。もしもその時は、解決策が見つかるかはわからないけれど、僕の出来うる限りの精一杯の力で小松君を助けられたらと、そんなことを思っていた。
「……小松君、理由を言ってくれ」
 もしも彼が、ずっとこのことで頭を悩ませていたのなら、なんて皮肉な話だろうかと僕は拳を握り締める。だけど、別れて下さい。と、ただ一言だけ言われて、理由もわからずそのまま頷くなんて僕には出来ない。
 だって僕は、小松君のことが好きだから。
「……何も言わず、別れて貰うことは出来ませんか」
 押し殺したような声音に、僕は眉間に皺を寄せる。小松君にしては珍しく、濁すようなその言葉が気になった。
「出来ない。僕が納得するような理由でなければ、その言葉に頷くなんてこと、出来るわけがない」
 僕がそうやって首を振れば、小松君が顔をあげた。その顔は今まで僕が見たことのない表情だった。今にも泣き出しそうで、怒り出しそうにも見える、そんな表情だ。
「小松君」
「もう、」
 僕の見たことのない表情、僕の聞いたことのない声が僕の耳に重く響く。
 それらが紡ぎ出した言葉は、僕にとって信じられないくらい残酷な言葉だった。
「もう、あなたに、付き合いきれません」
 何もかもがうんざりなんです。そう言って、小松君はまた俯いた。その言葉を理解するのに数秒を要した。言葉の理解は出来ても、それが自分に向けられたものだとは到底思えなかった。
「どういう、ことなの?」
 声が震える。その言葉は、あんまりにも現実味がなさすぎた。悪い夢なら覚めてくれと、祈らずにはいられない程。
「僕、何かした?」
 小松君は僕の言葉に首を振った。俯いたまま、何かを押し殺すような低い声が僕の耳まで届く。
「僕が悪いんです。やっぱり、男と付き合うなんて……僕には無理な話でした」
 小松君の拳は、白くなっていた。俯いたままの小松君の顔は、僕がいくら良い目を持っていたとしても、見えない位置にある。
「それに、美食屋と一般人じゃ、価値観だってなんだって、違いすぎる」
「それは……」
 価値観。それは確かに人によって違うものだ。だけど、僕らはいつだってそれを理解して歩み寄ってきたのではなかったか。男同士という壁さえ越えて、二人で。
 僕の言い掛けた言葉の先を遮るように、小松君は俯いたまま首を振る。
「わかって下さい。僕はもう、あなたのことをそういう意味で好きではないんです!」
 ごめんなさい。さようなら。と、言い捨てるように言って走り去っていく小さな背中を、僕は追いかけることが出来なかった。どんどんと小さくなっていく背中を、僕はただ見送るしかなかった。
 追いかけなければ。そうは思うのに、情けないことに僕の足は竦んでしまって動かない。神経が僕の意識の範囲外となってしまったようだった。
「小松君……」
 君も僕と同じだと、そう信じて疑っていなかったというのに、それはただの僕の自惚れだったということなのか。僕はただ、暗い公園に立ち尽くす。
 街頭の明かりがジリジリと音を立てて点滅を繰り返し、やがて音を立ててばつりと消えた。



読んでくれてありがとうございましたっ!
上手くいけばこんなのが11月出てます。
また状況はこちらで報告していきますね~(´▽`*)
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